身近なところから持続可能な社会を目指す! サステナブルなら紙製の包装紙
- tomo wada
- 4月16日
- 読了時間: 7分

店舗やネットで商品を購入すると、どの製品もきれいにパッケージされています。例えばマヨネーズなどの食品チューブは、透明の袋に入って売られています。このような一般的な包装資材をいくつかあげると、食品トレーや包装フィルムに使用されるプラスチック系、箱物に使用されるボール・カード系の厚紙、そして包装紙や掛け紙などの薄紙が普及しているでしょうか。近頃は環境に配慮した印刷物のご相談も増えたことから、今回はエコと包装について環境保護の観点から調べてみました。
1. プラスチックによる環境負荷と健康被害について
プラスチックは他製品と比べてリサイクルの割合が低く、国連の報告によると、実際プラスチックごみの9割がリサイクルされていないそうです。毎年1900万トンから2300万トンのプラスチックが水界生態系に流出しており、紫外線や波で粉砕されたマイクロプラスチックは、わたしたち人体に健康被害を及ぼすことがわかってきています。動脈硬化症の患者304人を調べたところ、血管を詰まらせる原因のプラークから半数の人にマイクロプラスチックが見つかったことがNHK の特集で放送されました。また、近年の調査で海に流入したマイクロプラスチックは、海の表層を漂いながら最終的には海底へ沈むことがわかってきています。そのため回収・除去が難しく、海底に蓄積した大量のマイクロプラスチックは⾧期的に人類に悪影響をおよぼす恐れがあります。
2. マイクロプラスチックとは
直径が5 ㎜以下のプラスチックのことを指し、スクラブ剤やプラスチック製品の原料となる樹脂ペレットなど、最初から5 ㎜以下で製造されたものと、外的要因で5 ㎜以下に粉砕されたプラスチックがあります。中でも、食品トレーとして使われるポリスチレンやレジ袋などに使用されるポリエチレンは劣化によりマイクロプラスチックになりやすいようです。
3. 身の回りにあるプラスチック生活消耗品の紹介と消費者意識調査
わたしたちの身近にあるプラスチック製容器・包装と、消費者庁のHP に掲載されている、消費者意識調査の結果をご紹介します。
➀家庭や職場で見かけるプラスチック製容器・包装など

以上の表から、家庭では主に水分を含む製品の容器としてプラスチックが使用されており、その素材は様々な種類があることがわかります。リサイクル率が向上しない理由としては、他樹脂の混入により品質保証ができないこと、汚れや水分などの異物混入の問題があげられます。(参考文献:経済産業省プラスチックと容器包装の参考資料9-1) ②プラスチックごみ問題の消費者意識調査 次の表は、消費者のプラスチックごみ問題への関心度を示しています。2019 年の時点で、約88%の人が関心があると答えています。

③消費者が過剰に感じるプラスチック包装についての調査結果

消費者庁 消費者意識調査(消費者問題の動向と消費者意識・行動)
少し前まで紙の袋が主流だった割りばしは、現在コンビニやスーパーではプラスチック製の袋に替わりました。また、ネット通販の利用が増えたことで、プラスチックの緩衝材や袋
を過剰に感じる消費者の割合が高いようです。 ➃購買時プラスチック包装についての意識

消費者庁 消費者意識調査(消費者問題の動向と消費者意識・行動) 第2 章 第3 節 (3)プラスチックごみに対する消費者の意識 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/2020/white_paper_137.html/
消費者の1/3 がプラスチックの包装が少ない物を選んでいるようです。 ⑤捨てる量を減らさなければならないと強く感じるもの

消費者庁 消費者意識調査(消費者問題の動向と消費者意識・行動) 第2 章 第1 節(4)資源・環境問題に対する意識
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/2020/white_paper_129.html/ この表はプラスチックごみの意識調査ではなく、資源・環境問題に関する調査のうち、消費者が捨てる量を減らさなければならないと強く感じるものを調べた結果です。プラスチックの容器包装を1位に上げた人が、食品の廃棄物に次いで多くなっています。以上の調査結果から、消費者はプラスチックの包装について過剰だと感じ、できるだけプラスチックの少ない商品を選ぶ傾向があり、さらには捨てる量を減らしたいと強く感じているということがわかりました。いずれも2019年の調査結果なので、現在では意識する人の割合が高くなっている可能性があります。
4.包装紙への移行により考えられる環境保護のメリット
環境意識を持つ消費者が増え、プラスチック包装よりも紙製の包装紙が選ばれた場合に、環境保護の観点からどのようなメリットが生まれるのかいくつかあげてみました。
➀ 生分解性とリサイクル性の高さ
紙は自然界で分解されやすく、適切に処理されればリサイクル率も高い素材ですので、環境負荷を低減できます。
② 海洋汚染の防止
紙は水中で分解しやすいため、マイクロプラスチックのように海洋環境への負担になりにくい素材です。
③ 再生可能資源の活用
プラスチックは化石燃料を原料としますが、紙は木材が原料の再生可能な資源です。適切な森林管理のもとで製造された紙を使用することで、環境への負荷を抑えながら持続可能な資源活用が可能になります。
④カーボンニュートラルへの貢献
カーボンニュートラルとは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」 から、植林、森林管理などによる「吸収量」を差し引いて、合計を実質的にゼロにする取り組みです(ここでの温室効果ガスの「排出量」「吸収量」とは、いずれも人為的なものを指します)。
1.) 製造・処理時のCO₂排出削減
プラスチックの製造や焼却処理には大量のCO₂が排出されます。一方、紙のリサイクルが進めば温室効果ガスの排出量を大幅に削減できます。
2.) 森林のCO₂吸収効果
森林はCO₂を吸収する重要な役割を果たします。適切な森林管理を行いながら紙を生産・使用することで、カーボンニュートラルに貢献できます。
3.) 再生可能エネルギーとの組み合わせ
紙の生産において、太陽光発電やバイオマスエネルギーを導入する企業も増えており、環境負荷の低減が期待されています。
4.) 植物性インキによる印刷
ベツプリでは石油系ではなく、植物由来のSOY インキを使用しています。植物は光合成でCO2 を吸収するため、原料である植物が成⾧する過程でCO2 を吸収します。
5. 企業のブランド価値向上と消費者の支持
近年、環境配慮は社会的責任(CSR)の一環として、企業に対策が求められています。植物油インキマークや紙製容器包装リサイクルマークなどを印刷物に入れて作成し、持続可能な社会への取り組みをPR することでブランドイメージの向上はもちろんのこと、脱プラ・減プラへの取り組みは、消費者の意識調査の結果からも選ばれる要素に繋がることがわかりました。環境に優しい包装を採用することで、社会的・経済的なメリットをもたらします。
6. まとめ
わたしたちが普段何気なく使っているプラスチック製品は、製造・廃棄するのに環境負荷が大きく、海洋生物や人体にも影響を及ぼすことがわかりました。また、消費者の約88%はプラスチックごみの問題に関心があり、1/3はプラスチック包装が少ない製品を選んでいます。しかし、わたしたちの生活に密着したプラスチック製品を他の素材に替えることは非常に困難です。そのため、まずは包装をプラスチックから環境にやさしい紙製へ変更してみてはいかがでしょうか。また、冷蔵・冷凍の耐水性が必要な包装には、プラスチック使用量が少ないユポ紙を使用した ユポ掛け紙 や 包装紙 もありますので、減プラをご検討の方におすすめです。ご不明点やご要望は、ぜひベツプリにお聞かせくださいね。
【投稿者プロフィール】
東京営業所の最前線を突き進む営業ウーマン。環境対策委員会として、13年間屋外イベント会場でのリユース食器の導入やごみゼロナビゲートの活動を行う。持ち前の深い思考力で生み出される多彩な文章が魅力。書かれた文章が硬い時は、実はAIが代筆しているのではないかと、まことしやかに噂されている。
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