コピー機でコピーしたら文字が浮き上がる偽造防止印刷(コピーガード印刷)ってどんなしくみ??
- tomo wada
- 10月16日
- 読了時間: 4分
更新日:10月31日

1. コピーガード印刷ってどんなもの?
コピー機に通すと、文字や画像が浮かび上がる書類を見たことはありますか?
住民票や、薬の処方箋、チケット等によくもちいられるコピーすると文字が浮かび上がる印刷物の事をコピーガード印刷といいます。
これって不思議だなと思った事ありませんか?
実はこれ、人間の目の錯覚を利用した印刷トリックなんです。
偽造防止加工にも様々な種類がありますが、当社で対応可能な印刷加工をご紹介いたします。
2. 印刷物で濃淡を表現するしくみ
印刷物の色の濃い、薄いって、例えば黒1Cの場合、下の図にあるような真っ黒とグレーの部分って、インキが濃いか薄いかで表現してるって思っている方いませんか?
絵画や写真とちがって、オフセット印刷って実は薄いところも濃いところも実はインキの濃さは一緒なんです!
じゃあ、なんで薄く見えるのかというと、、、
ルーペで拡大してよーく見てみるとる、インキの濃淡じゃなくって、実は点々の多さなんです。


上の図の左の真っ黒の四角は下の図の100%、上の図の右は下の図の50%なんです。
ご家庭に虫メガネがあったら、一度新聞の写真を見てみてください。無数の点々が見えると思います。
3. 印刷物の線数って
次に印刷物には線数というものがあります。
さっきの下の図にあった点々が1インチの中に何本あるかが全数です。
下の図の1辺が例えば1インチだとしたら、9本あるので9線となります。
一般的は印刷物は1インチのなかにこの線が175本あり、175線って表現します。
この線の数が多ければ多いほど細かく綺麗な印刷物となります。ブラウン管テレビとハイビジョンテレビの違いみたいな感じですね。

4.文字が浮かび上がるしくみ
前振りが長くなりましたが、コピーガード印刷って、この網点濃度と線数を利用した人間の目の錯覚を利用しているんです。
まず、文字が浮かび上がらない部分には175線で2%の網点を紙面前面に印刷します。
そして、浮かび上がらせたい部分の文字を50線で5%の網点で印刷します。
この時点で、浮き上がらない部分の2%の網点で印刷されて部分は人間の目では白に見えます。
そして、浮かびあがらせたい部分の5%で印刷されいるので、濃度差は3%ということになります。
この3%がとても重要で、人間の目って3%の差ってよーーーーく見ないと識別できないんです。
いわれていると、あっ! みたいな感じなんですが、いわれないと気づかないレベルなんです。
で、これの印刷物をコピーすると、コピー機って2%の網点を読み取ることができずに0%と認識してコピーしちゃうんです。
で、5%のところはそのまま5%でコピーされるので、コピーした後の複写物の濃度差は5%になります。
先程、3%の差は人間の目ではよーーーーく見ないと識別できないっていいましたが、5%の差だと、パッ!!とみて識別できちゃんです。
これが、コピーガードの簡単な仕組みです。
5. コピーガードをお勧めする印刷物
企業様
顧客情報は、社員様の個人情報が記載される印刷物
教育機関様
児童・生徒様の個人情報の記載されている印刷物
医療関係者様
患者様のカルテ、処方箋、予約票等
その他
金券・チケット・各種証明書等
ただし、金券等、金銭的価値のある商材に関しましては、フォログラム、金箔・銀箔等、より高度な偽造防止印刷をお勧めします。
6. まとめ
以上、簡易コピーガードの仕組みをご紹介させていただきました。印刷物の線数など複雑な仕組みで構成されてるコピーガードは奥が深いですね。当社もまだまだ事例が少ない仕組みですので印刷内容とあわせて検証も必要です。背面の柄などにより、うまく浮き出ない場合もございますので、まずはご相談いただければ幸いです。
【投稿者プロフィール】ヒデキ工場長
某国立大学で印刷工学を学んだ後に入社し、経営情報システムをたった一人で作り上げたスゴ腕理系おじさん「ヒデキ工場長」。自他ともに認めるナチュラルボーン印刷人で
印刷の知識は社内随一の知性派でありながら、最近は沖縄県まで営業開拓を手掛ける行動力の持ち主。
週に一度は子供のキャラ弁を作る家庭的な温かさを持つ良きオヤジで、ブリリアントに煌めくヘッドがチャームポイント。
















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